いつも市民派ずっと無党派


by tanemaki_azumino

カテゴリ:訴訟や裁判( 25 )

10月 31日 27日の最高裁判決関連情報

「市民オンブズマン事務局日誌」ブログは、
『全国市民オンブズマン連絡会議』と『名古屋市民オンブズマン』の事務局日誌です。

こちらに、27日の最高裁判決に関する情報、新聞報道などリンク多数紹介されています。
3セク損失補償は適法 裁判所が初判断
http://ombuds.exblog.jp/14838168/
by tanemaki_azumino | 2011-10-31 08:45 | 訴訟や裁判
10月 29日 最高裁判決から一夜明けて

最高裁判決から一夜明けて、だいぶ気持ちも落ち着いたので
各社新聞報道をチェック。

昨夜は「どちらが勝ったとか負けたとかいう判決ではありません」と、
わたしの思いを書きましたが、冷静になってみれば
こういう場合、一般的に「住民側敗訴」と表現するのだなと納得。
こちらにレポートをまとめましたので、ご覧ください。

さて、以下は実になさけない話ですが、興味のある方はどうぞ。

中央線は人身事故がけっこう頻繁にあります。
わたし自身も「あづさ」に乗っていて、過去3回遭遇しています。
でも、よりによって最高裁判所へ行こうという時に事故が起こるなんて・・・

今回、武蔵ナントカという駅付近で人身事故があり、
「あづさ」は1時間遅れとなってしまったのです。
遅刻の連絡は何とかつけましたが、ほんとに残念無念でした。
結局、判決言い渡しには間に合わず、判決文だけをもらってきました。

最高裁判所に到着したときには、
新聞各紙の記者さんがまだ待っていてくださって、
「判決は聞いたが意味がわからない。判決文を見せてほしい」と言うのです。

それではと、最高裁の門を入ろうとすると、何人も守衛さんがいらっしゃる。
用件を伝えると、身分証明書の提示を求められ、
入場許可の文書を書いてやっと入ることが許されました。

そこから長いアプローチの緩やかな階段をのぼり南口玄関へ。
受付には男性が一人、もう一人男性が出てきて「ご案内します」というので従いました。

天井は高い、廊下は広くて長い、行き交う人はだれ一人としてない。
わたしと案内人の靴音だけが無機質な空間に響く。
途中で正面玄関を通り抜けたのですが、ここにも人っ子一人いない。
高い吹き抜け、大きく重厚な扉、法廷に続く壮大な階段・・・

まさに「権威の象徴」としての建築。
人を寄せ付けない威圧感は、最高裁判所に最もふさわしい装い。
遠くから見ている分には美しいが、近寄れば幻滅・・・
わたしの目には日本一コストパフォーマンスの悪い建物に映りました。

そして、
世間から隔絶されたような、こんな建物の中で日々過ごしている裁判官は
庶民感覚と離れていくのも無理ないことなのでしょう。

そんなことを考えながら5階の事務所で判決文を受け取り、
「出口がわかりにくいですからご案内します」との言葉に甘え、帰りも先導していただきました。
ご親切にと、その時は思ったのですが
これはおそらく、自由に裁判所内をウロウロされては困るという事情でしょう。
by tanemaki_azumino | 2011-10-29 22:02 | 訴訟や裁判
10月 27日 最高裁は上告審として受理しない

安曇野菜園三セク損失補償裁判の判決言渡しがありました。
最高裁判所(東京)とんぼ返りでクタクタ、もう寝ようと思いましたが
夕方のTVニュースで「住民側敗訴」らしき報道があったというので、
それは違いますということで、とりあえずそこのところだけ書いておきます。
(詳しくは後日に)


平成22年(行ヒ)第498号決定によると
東京高等裁判所が平成22年8月30日に言い渡した判決に対し、
申立人(安曇野市長)から上告受理の申立てがあったが、
申立ての理由によれば、
本件は、民訴法318条1項により受理すべきものとは認められない。
よって、当裁判所は、裁判官全員一致の意見で、次のとおり決定する。

主文 本件を上告審として受理しない。
    申立費用は申立人の負担とする。

「安曇野市長の上告の申し立ては受け付けません」ということです。

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そしてもうひとつは
平成22年(行ツ)第463号判決によると

主文 原判決中被上告人の請求を認容した部分を破棄する。
    前項の部分につき、第1審判決を取り消し、被上告人の訴えを却下する。
    その余の本件上告を棄却する。
    訴訟の総費用は被上告人の負担とする。

どういう意味なのかわかりにくいですが、これは要するに、
「安曇野菜園は損失補償契約による借金を完済したので、訴えの利益がなくなった。
だから、裁判は最初からなかったことにします。」
というもの。


「借金を完済した」というのですが、
なぜ借金が完済できたかといえば、安曇野市が債権放棄したからです。
債権放棄した分は市民の負担になっているのですから、
「訴えの利益がなくなった」なんて、わたしは認めませんけどね。

以上、どちらが勝ったとか負けたとかいう判決ではありません。
by tanemaki_azumino | 2011-10-28 00:36 | 訴訟や裁判
9月 10日 三セク住民訴訟と安曇野市の対応を振り返る

9月3日、4日、第18回全国市民オンブズマン大会が松本市で開催されました。
大会テーマは「震災・復興と、市民オンブズマン」。
4日の午前中には安曇野市の3セク損失補償問題の報告をということで、
わたしと中島弁護士が発表しました。

大会の資料集のために書いた「三セク住民訴訟と安曇野市の対応を振り返る」を
3回に分けて掲載していますので、ご覧ください。

 三セク住民訴訟と安曇野市の対応を振り返る(その1)
 三セク住民訴訟と安曇野市の対応を振り返る(その2)
 三セク住民訴訟と安曇野市の対応を振り返る(その3)

▼かなりめずらしいサンセベリアの花、咲きました。
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by tanemaki_azumino | 2011-09-10 08:07 | 訴訟や裁判
4月 13日 雇い止め裁判の判決を受けて

仕事を効率化し職員数を減らすことで人件費を抑える。
行財政改革の第一歩だみたいに言われていますが、ほんとにそうでしょうか。
安曇野市でも正規雇用800人に対して非正規雇用(非常勤職員)が600人。
正規雇用は毎年確実に減っていますが、かわりに非正規雇用が増えていく。
表向きの「人件費」は削減したことになっていますが、
その陰で非正規雇用の賃金は「物件費」という扱いで増加しています。

物件費扱いの低コスト賃金で働いている非正規600人のほとんどが女性です。
女性であるがために「家計の補助的労働」とみなされ、
「官製ワーキングプア」の問題は存在しないことにされています。
非正規雇用で生計を立てている女性の存在は無視される一方で、
非正規雇用で生計を立てようとする男性などいないという思い込みがまかり通る。
なんという矛盾に満ちた現実であることか・・・


わたしの友人である二人が、この非正規雇用、雇い止めの問題で裁判を起こしました。
1年半ほど前のことですが、やっと先月31日に判決が出たのです。
ところが、それは、じつに驚くべき判決でした。

この判決を受けて、原告の二人がその思いを書いていますので紹介します。
長文ですが、ぜひ読んでください。

判決を受けて(井上昌哉)

 驚きの判決でした。解雇権濫用が認められない可能性は十分にあると覚悟していましたが、まさかその理由が、私たちの従事していた仕事が「家計補助的労働」であるから、とは。しかも京大卒でありながら、わざわざそのような労働に就いた原告らが悪い、という自己責任論まで展開されています。

 和久田裁判官は、私たちが「どのような世界観・人生観の下にこうした就労形態を選択したのか明らかではない」と言います。しかし、私の世界観・人生観はいたってシンプルなものです。それは、「生きていくには眠るための小屋と靴と少しのパンさえあればよい」(映画「ミラノの奇蹟」)というもので、この単純な世界観・人生観に従って、私は京大図書館での仕事を選択しました。そして、この仕事で生計を立ててきました。

 私は自分の仕事にそれなりの誇りをもち、意味のある仕事だと思って、真面目に働いてきました。それを「家計補助的労働」だと蔑み、いつでも首を切られても文句が言えないのだ、と判決ははっきり述べています。これは私自身への否定であるばかりでなく、京大の非常勤職員すべてに対する侮辱であるでしょう。(実際に家計補助であろうがなかろうが)「家計補助的労働」として長い年月、不当な差別を受け続けてきた女性労働者に対する、いわれなき断罪でもあるでしょう。

 「時間数が短いから(そして時給が低いから)家計補助的労働なのであり、家計補助であるから首を切られても生活が崩壊することはない、だから解雇権濫用を適用して労働者を保護する必要はないのだ」というロジックは、およそ論理の体をなしていません。これまで判例が、何のために解雇権濫用法理を非正規にも類推適用させてきたのか、その積み重ねを台無しにする、ひどい判決だったと思います。

 和久田裁判官の物言いは、塩田理事そっくりです。「今の仕事を続けるのは本人にとっても良くない」「新しい道を探したほうがいい」云々。それを法律の言葉に直しただけです。その意味で、和久田さんは「とんでもない反動裁判官」というわけではありません。塩田理事が、そして多くの男性正規職員がそうであるように、心やさしい善意の人です。ただ、自身に染みついている差別意識について無自覚なのです。

 実際、判決では、「有期労働契約という雇用形態は、原則として期間を定めなければならばない理由がある場合にのみ採用されるべき」という、入り口規制の考え方が述べられています(※代理人の塩見弁護士によると、この考えが判決の中に書かれたのは初めてではないかとのこと)。これは私たちの運動に対する、和久田さんなりの回答(レスポンス)であると感じます。

 ただ、善意であるがゆえに、問題はとても根深く感じられるのです。今回の判決に対して、怒りよりも無力感のほうを私が多く感じるのはそのためです。

 「差別」と闘ってきたこの2年間、その差別が判決でこうまで堂々と書かれ、それが雇い止めを正当化する理由とされたことに、深い脱力感を禁じ得ません。そして同時に、差別とは何か? (お前は)差別とどう向き合うのか?という問いを、否応なしに突きつけられました。その意味で、とても怖い判決だったと思います。



判決について(小川恭平)

 「なんでお前らは京大を出ていながら、女(パート)子供(アルバイト)のするような仕事をしてるんだ。そんな家計補助的なものは法で保護する労働者に値しない。自分でそれを選んだんだろうから、くびになっても文句をいうな、(ちゃんとした仕事につけ)」という判決でした。

裁判官・和久田さんは思いを入れて判決を書いたんだとは思う。それが、こんな飲み屋できくような、おやじからの説教だとは‥‥、私たちは何のために裁判をしてるんだ‥‥と言葉を失った。

私たちはまさにこういうものと闘っていた。この判決文に書かれているようなことに対して、闘ってきたんだと思う。大学側の主張はウソは多かったけど、ここまで差別的ではなかったから、こんな負けかたをするとは思っていなかった。
法に負けたというより、世の中の女性差別に負けた。

私たちが女性だったら、説教すらつかなかったと思われる。「家計補助的な仕事は使い捨てられて当然」それだけだったと思う。
これはあまりにひどい差別だ。判決文を訴えたい。(本当に国連女性差別撤廃委員会などに訴えたほうがいいかもしれない。)

この家計補助的という考え方は、日本の労働の最大の問題といってもいい。パート労働は、主婦のものとされ、家計補助だから、一人で生きていくだけの賃金は必要ないとされ、そして首切り自由。これは都合いいと広がっていったのが日本の非正規労働である。
(そして、広がりすぎて、とても非正規が家計補助といえなくなってしまってるのが現在だ。)

裁判官は自分の書いた判決が女性差別だと気付いてもいないだろう。あまりに世の中に浸透してるし、差別しているほうは差別には気付かないものだ。なので、ちゃんと陳述書の中で、パート労働の差別性について書いておけばと後悔している。
世間も裁判も一緒か。権利意識をもって、二年もがんばって裁判してきたが、こんな判決をもらうとなんだかむなしい。

最後に一点
判決文で一番ショックだったことは、時給が安いから(+労働時間が短い=週30時間未満)、家計補助だとされたことだ。
非正規に対する差別によって、時給が低くされているのに、さらに収入が低いことが理由に、くびを切っていいと差別されること。
差別を理由に、差別を肯定すること。
そういう判決だった。ひどいと思う。

判決への感想は以上なのですが、男性として生きている私がこの女性差別的な判決に対して、どう向き合うか問われていると感じます。以下、まとまらない感じにはなると思いますが、書いていきます。


私も男性として生きてるから、女性差別について気付かないでいられることが多い。そして、差別する側にまわっているんだと思う。
今回、非正規雇用という女性労働の問題にかかわって、おかしい、おかしいと思ううちに、これが女性差別かと少しずつ感じてきた。
でも、判決後の集会で、判決の趣旨を説明を聞いて、女性の支援者の方々は瞬間的に差別判決だ、と怒りを表明されたけど、私はあっけにとられてしまい、怒りを感じるまで時間がかかってしまった。それは、日常の中で差別にさらされている人とそうでない人間との差がでてしまったんだと思う。


この判決、非常に女性差別的であるが、井上・小川が差別されているわけではない。
和久田裁判官は同じ男であり京大卒である井上・小川が、自分がさげすむ女性労働(パート労働)をしていることを脅威に感じたのかもしれない。「原告の世界観についてはわからない」という言葉が象徴的だ。
和久田さんは本心をいっていると思う。つまり、自分は苦学して京大をでて司法試験にも受かり、裁判官という重要かつ激務について妻子を養っている(知らないが)。それに比べてお前らはなんだ、と怒って説教したということだろう。自分の生き方が否定されたような気持ちになっているのだと思う。
これは和久田さんに限ったものではない、世の中の多くの人の気持ちかもしれない。2年運動をやってきてわかる。

なので、こちら側も本気度が試されていると思う。非正規という生き方。非正規という生き方を本気で肯定する。私はそうしていこうと思う。


こう書くと特権的と感じられるだろう。「選んで非正規をやってるんちゃうわ」これが普通だから。
もちろん私も「選んで非正規をやっている」とはいえない。しかし今はあまり選択の余地はないが、かつてはあったかもしれない、それは特権といえる。
私にも正規的なものに対するあこがれはあった。しかし、三十代半ばに、すっかりあきらめた。


むしろ特権的なのは、私にある余裕のようなものについてかもしれない。どこかに余裕があったから、ストライキができた、裁判闘争ができた。
余裕とは、時間・金銭・人とつながりである。また、余裕とは自己肯定感とか、安全であると感じられることである。

しかし、多くの非正規は声を上げる余裕がない。

なぜ、私に余裕があるのか?
私に余裕があるのは、搾取や差別によっているのではないか?
余裕によって余裕ないものを搾取をしていまいか?


判決を読んだ母から電話がきた。
「お前は間違ってないから、自信を持て。」
「パート労働の現実は本当に大変。お前たちの読んでると甘く感じる。」
母は仕事柄、主婦や非正規労働者の話を聞くことが多い。そして、正規・非正規さまざまな仕事をしながら、2人の子供を育てた人物である。


判決は、お前は本当に当事者なの?と言ってるようにも感じる。
私は、当事者なのか、当事者ではないのか。実際、その問いと矛盾をかかえながらやってきたと思う。
ストライキを始めて二年以上たった。最初から非常勤職員の問題は女性差別の問題であると指摘して、それで女性非正規から支持をしていただいた。でも、ちゃんと女性労働の問題がわかっていたはずがない。
そのことに、まどろこっしい気持ちになりながらも、支えてくれたり、教えてくれた人は多い。
吸収していかなくてはと思っている。


書けば書くほど、違和感が出てくる。書くということが力だからだろうか?
差別を受けていないものが、差別と闘うということは、自分が力を行使するのではなく、
差別され力を奪われているものが、力を発揮できるように環境を作っていくということではないか。
そういう内容の指摘も受けたことがある。


被害者でもあり、加害者でもある。
覚悟を決めて、女性差別について、取り組んでいこうと思っている。

by tanemaki_azumino | 2011-04-13 23:21 | 訴訟や裁判
3月 7日 デジタル版の判例タイムス

3月定例議会一般質問では当然のことながら
三セク安曇野菜園の清算とトマト栽培施設の指定管理者の指定について質します。

安曇野市のトマト栽培第三セクター安曇野菜園は、北海道の民間農業生産法人エア・ウォーター農園に経営譲渡が決まり、清算手続きに入った。市所有のトマト栽培施設はエア・ウォーター農園が指定管理者に指定され、4月からトマト栽培事業を引き継ぐ。

そこで、以下に質問する。

1.三セク安曇野菜園の清算について
2.指定管理の基本協定について
3.責任問題について調査検討する第三者委員会の設置について

この問題については、2011年2月26日のホームページに書いた通りなので、
安曇野菜園債務は全額清算の見通し「安堵感にじむ宮沢市長」
~ またしても「問題の先送り」にならなければよいが ~


事ここに至っては、もうこれ以上「問題の先送り」をさせないよう、
押さえるべきところをはっきりさせ、準備をしておかなければなりません。
そんな時、ちょうど、「判例タイムス」に安曇野菜園のことが出ているよと教えてもらいました。
東京高裁の判決について速報記事があるとのこと。
ネットで探したら、デジタル版の判例タイムスのバックナンバーが見つかり
支払い手続きしたら、すぐ読むことができました。

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パソコン画面でも読みやすい工夫がしてあり、必要に応じて印刷もできるのでなかなか便利です。

で、この「判例タイムス」No.1334(2011.1.1)には
「安曇野市損失補償契約に基づく債務支払差止め住民訴訟」と題して
20ページにわたり速報記事が掲載されています。
その解説のなかに、次のような記述があり(目に)うるっときました。


とりわけ、住民訴訟は、格別のリソースを持たない住民が法と証拠のみに基づき、地方自治体の財政のあり方をチェックしようという制度であるから、その論拠となり得る財政援助制限法の意義を縮小解釈してまで、現状を擁護しようとするのは、あるべき司法判断としてはむしろ問題視されることになろう。


by tanemaki_azumino | 2011-03-07 21:12 | 訴訟や裁判
11月 27日 30人の弁護団

今日もまた、トマト栽培三セク安曇野菜園をめぐる住民訴訟の話題

安曇野市は、
3金融機関と市が結んだ損失補償契約を違法無効とする東京高裁判決を不服として
最高裁に上告する申立て案を開会中の9月市議会に提案。
市議会は賛成多数で可決しました。

上告の申し立てがいつ受理されるかはまだわかりませんが、
上告審の裁判に向けて準備は怠りなくしておかなければなりません。

弁護団を結成しましょう、協力したいという申し出がありましたが、
30人もの弁護士さんが手弁当で結集してくださるとは思いませんでした。
ほんとうに有難いことです。

一方、安曇野市は弁護士を5人に増員するようです。
市の弁護士さんには「薄謝」というわけにはいかないでしょう。
大義のない上告のために、市の税金から裁判費用の支出が増えると思うと、
なんだかやりきれない気持ちになります。

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by tanemaki_azumino | 2010-11-28 01:06 | 訴訟や裁判
9月 20日 自由法曹団通信1356号より

住民訴訟でずっとお世話になっている中島嘉尚弁護士から
自由法曹団通信1356号が届きました。

東京高裁での控訴審判決についての報告です。
長文ですが、ぜひ読んでください。

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自由法曹団通信 旬刊 1356号 2010年9月11日

税金の無駄遣いをやめさせよう!
第三セクターにかかる債務の損失補償契約にもとづく
自治体の長に対する支払差止を認容する逆転勝訴判決(東京高裁)
長野県支部  中島嘉尚


一 東京高等裁判所第22民事部は、2010(平成22)年8月20日、第三セクターの債務につき損失補償契約をなした自治体の首長に対し、金融機関への補償債務の支払いを差し止める判決をした(裁判長は加藤新太郎裁判官である)。

二 事業の概要は次のとおりである。
長野県安曇野市は、同市所在のM社(トマト栽培を主とする)が、A、B、C各金融機関に対し、負担する債務につき、A金融機関2億5000万円、B金融機関5250万円、C金融機関4875万円の範囲内で各金融機関との間で損失補償契約を締結した。そこでこの損失補償契約が無効であるとして住民監査手続きを経て(住民監査手続では棄却)地方自治法にもとづき公費出費差止めを求めて提訴がなされた(平成19年11月21日)。

三 論点は以下のとおりである。
①監査請求期間を徒過した訴えか。
②本件各損失補償契約は財政援助制限法第二条に違反する無効のものであるか。

四 東京高裁の判断
(1)前記①すなわち監査請求期間徒過の有無の点については第一審の判決では、損失補償にもとづく支出がなされていないので期間は進行しないとの理由により適法と判断していたところ、本件控訴審判決においても同様の理由により適法と判断した。

(2)前記②財政援助制限法に関する東京高裁の判断は次のとおりである。
①財政援助制限法三条は、地方公共団体等の財政の健全化のため、地方公共団体等が、会社その他の法人の債務を保証して不確定な債務を負うことを防止する規定である。

②同法で禁止する保証契約とは、主債務との間に付従性補充性があり、保証人は、主債務者と同一の責任を負う性質を有する契約である。

③損失補償契約は主債務との間に付従性補充性はない。また、損失補償をしたからといって、当然に主債務者に対し求償したり債権者に代位できるものではない。この点において損失補償契約は保証債務とは差異があるということはできる。

④しかし実際には、損失補償契約についても、保証債務と同様の機能を果たすことが多い。付従性補充性がなく、当然の求債や代位もできないのだから、保証債務よりかえって責任が過重になる。それにもかかわらず財政援助制限法三条の規制が及ばないとすれば、同条の趣旨が没却される。したがって法の趣旨を没却しない特段の事情がない限り同条の類推適用がなされ規制が及ぶ。

⑤次に財政援助制限法三条の趣旨を没却しない特段の事情としては、損失補償契約を締結する公益上の必要性が高いことと、相手方の金融機関が公益の必要性に協力するために損失補償契約に至った場合には、特段の事情が認められるとしている。

⑥本件M社に関する各金融機関との損失補償契約は明らかに保証契約と同様の機能を果たすものであり、財政援助制限法三条の趣旨に反し無効である上、公益性などの特段の事情も認められない。したがって本件損失補償契約に基づく支出の差止めの請求は理由がある、とした。

⑦取引の相手方たる金融機関側との取引の安全性については、財政制限法三条の趣旨を実効性あらしめるためには、無効もやむを得ないとする。しかし損失補償契約を締結する公共の必要性が高く、金融機関も公益上の必要性に協力し、さらに契約当時の諸般の事情から当該金融機関において違法性の認識がないと認められる場合にあって、当該地方公共団体が損失補償契約の無効を主張することが社会通念上著しく妥当性を欠くと評価される場合は、地方自治体は信義則上当該金融機関に対し、無効を主張できないと解される余地がある。

⑧本件判決と既判力との関係について
金融機関が自治体を相手に信義則上無効を主張し得ない事情を主張して訴訟提起をすることは想定できる。この場合、訴訟提起は差止認容判決の既判力によって妨げられない。

⑨前記訴訟によって信義則上の事情が認められ、請求が認容されたとしても、自治体は差止め判決の拘束力により任意の履行は許されず、金融機関の強制執行の方法によるべきである。

五 このように本件判決は、損失補償契約は財政援助制限法第三条により原則として無効であり、例外的に公益性が認められる場合など法律の趣旨を没却しない範囲で有効となる場合があると明言したこと、その結果本件については差止めが認容されたこと、但し、判決の既判力は金融機関の契約に基づく履行請求の訴訟提起には及ばないこと、自治体が無効を主張し得ない信義則上の事情がある場合は認容される余地があること、しかしそれでも自治体への差止めの判決の拘束力はあるので、自治体が自ら任意に履行することはできず、強制執行の方法によるべきであることを判示したものである。

六 本件のように財政援助制限法違反を理由に、主文をもつて差止めを認容した判決はあまりないのではないかと思う。また本件判決は、第三セクターに対する自治体の安易な損失補償契約に制限をかけるものである。ともすれば無責任な損失補償契約がまかり通っている現状に対し、警鐘を鳴らしたものといえる。

 多くの自治体では、合併前の一自治体の損失補償契約を合併後の首長が背負い込んでいる場合や、前首長の無責任な損失補償契約に対し、これを批判して選ばれた新首長が実際には前首長のした損失補償契約の履行を求められ、その対処に苦慮困惑する場面が多発しているのではないかと思う。この判決はある意味で解決の指針を示したものともいえる。本件も合併前の一自治体の首長が行った損失補償契約の無効を合併後の首長に対して主張したケースである。

七 本件訴訟は原告(控訴人)一名、弁護士一名という(少数精鋭?)体制(ただし住民は応援してくれた)で闘ったものであるが、得た成果は大きいのではないかと思っている。なお、既成事実の進行を避けるため滋賀県の吉原稔先生の「省エネ裁判」を読み、なるほどと思い、本件の場合にも証拠としての資料は多く提出したが、当方から証人尋間は不要として、証人申請は行わなかったので、証人調べはなされていない。

 また高裁における訴訟の進行は大変に緊張感に満ちたものであり、その場で裁判長が疑問点を訊き、その場で答えを求められるというもので、一回ごとの弁論手続を大事にした(まさに口頭主義)。

八 本件は損失補償問題とは別の請求もあったが、その部分は結論的には却下となった。ここでは省略させていただく(ただし、その問題に対しては理由中で自治体に反省を求めている)。

九 追伸 本件については、新聞報道等によると、9月8日の市議会において上告受理申立手続をとることに議決したとのことです。首長は「多くの自治体に影響を及ぼす判決」と説明したそうです。おそらく全国の自治体の意向をも体したものと推定されます。そうなると当方も「そうですか」というわけにはゆきません。ある意味では総力戦の覚悟をしなければなりません。全国の団員の皆様の御意見と御協力、御支援をお願いするものです。
(自由法曹団通信 旬刊 1356号 2010年9月11日)
by tanemaki_azumino | 2010-09-20 22:54 | 訴訟や裁判

9月 18日 特別送達

9月 18日 特別送達

東京高裁より特別送達の郵便が届きました。
特別送達(とくべつそうたつ)は、日本において、民事訴訟法に規定する方法により裁判所や公証役場から訴訟関係人などに送達すべき書類を送達し、その送達の事実を証明する、郵便の特殊取扱。特送(とくそう)と略されることもある。
ウィキペディアより)

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1通は安曇野市の上告受理申し立て通知書

もう1通は上告提起通知書で、
あづみ農業協同組合がこの裁判に補助参加するというもの。

損失補償契約は違法、無効として
金融機関への支払い差し止めの判決が出たので、
差し止められては困るということで補助参加を決めたのでしょう。


以上の二つの通知書は、
高等裁判所が形式的な審査を行い、その結果、特に不備がないと判断した場合に
当事者双方に対して送付されるものだということです。

最高裁判所へ送られるのは、まだ先になりそうです。
最高裁で上告が受理されるか、不受理となるのかは、さらに先のこと・・・

その間に、わたしたちもしっかりと準備をしなくては。
全国から支援の声が続々と・・・、大いに励まされています。
by tanemaki_azumino | 2010-09-18 22:45 | 訴訟や裁判
9月 17日 譲渡先が見つかるか

菜園の清算は先送り/「まず譲渡先探し」
  ~ 安曇野市長、あいまい答弁繰り返す ~


本日の安曇野市議会、小林純子の一般質問の報告です。
この記事ついては活動報告のホームページでご覧ください。
by tanemaki_azumino | 2010-09-17 23:08 | 訴訟や裁判